今回は本を作りたい方の初級講座(前半)の続きです。
前半では、著者(あなた)の強みや書きたいテーマに沿って、どのような書籍を出版したいかを深掘りしました。
後半では、書籍の内容(中身)について具体的なイメージを膨らませてみましょう。
本を作るときに最も大事なのは、「読みたいな」と思ってもらえることです。
特に売る本であれば、
読者がお金の対価として、何を得られるかは大事です。
配る本であっても、
「読むのが面倒だな…」と思わせたら押し付けとなってしまうので、
「読んでみたいな…」と思われるようなメリットを考えましょう。
例えば…
【歯科向け】
◎ この本を読むことで、経営が上向く
◎ スタッフを集めやすい医院になる
◎ 患者さんが長く通ってくれる仕組みがつくれる
◎ 高齢者の総義歯治療のコツがわかる
【一般向け】
◎ 子どものむし歯を防ぐ方法がわかる
◎ 本当に効果のあるケア法がわかる
◎ 高齢者の食事のサポートがラクになる
【家族向け】
◎ 家族のルーツを知ることができる
◎ 故人の思い出を共有できる
書こうと思っている内容の価値を見直す大切なステップです。
どんな形式で?
「どんな形式が書きやすいかな…」
「どんな形式が読みやすいかな…」と、
さまざまな本を手にとって、自分に合った形を探してみましょう。
「あ、これは読みやすい!」と感じた形式は、
不思議とその人が書きやすい形式でもあるのです。
例えば…
■ Q&A形式
お悩みに応える形は、読者の心に届きやすいメリットがあります。
一般書籍に参考になるものがたくさんありそうです。
■ エッセイ形式
「本」と聞くと、多くの人がイメージするのがエッセイ形式かもしれません。
明確な答えがあるのではなく、読者の心に問いかけるような内容には特に向くと感じます。
■ ストーリー形式
読者にも、ハラハラドキドキを追体験して学んでもらえる形です。
読者の共感を得やすい利点があります。
■ 写真を中心に手技を紹介
臨床で多い形式です。お料理の本なども参考になるかもしれません。
動画との組み合わせもお勧めです。
■ ○×形式で、失敗事例と対比
失敗事例も交えると、読者の学びが深くなります。
■ 事例(写真)中心
医院デザインなど、「読む」のではなく、「見て」感じてもらいたい場合に向いています。
■ その他
日めくりカレンダーなども楽しいですね。
ただし、コストは高くなります。
第1章はQ&A、第2章はエッセイ、第3章は座談会など、
組み合わせも自由です。
形式が決まると、原稿を書きやすくなりますよ。
タイトルは?
今までお書きいただいた文字の中から、
より価値があると思われるキーワードに下線を引いてみましょう。
それらを使って、仮のイメージタイトルを考えてみてください。
大事なのは、ウェブ検索を意識し、特に以下の2点に気をつけることです。
NG例も挙げておきます。
■ 必要としている読者の検索に引っかかる言葉を選ぶ
中身を見なくても、歯科医師向けか、患者さん向けか、テーマは?
などがわかりやすいように心掛けましょう。
【NG例】
◎ 患者さんのことを考えた歯科治療
◎ 最新の歯科治療
※どちらも漠然としすぎている
■ 患者さんに不快に思われない表現を使う
今やインターネットで簡単に検索できる時代です。
著者の名前を検索したときに、
患者さんが不快に感じるキーワードを使わないように心掛けましょう。
【NG例】
◎ かならず儲かる歯科医院経営
◎ 患者さんに自費を選ばせるテクニック
目次は?
読者にわかりやすい形での項目分けを考えてみましょう。
目次はチラシなどで一人歩きするので、
それだけ見てもイメージがつかめるものがベストです。
ここで注意するのは、自分の得意分野に絞り込むこと。
高齢者向けの口腔ケアが得意なのに、
口腔ケア全体について書こうとすると、
どこかで聞いたような硬い文章を引用することになりがちです。
【NG例】
① そもそも口腔ケアとは
② 小児期に求められる口腔ケア
③ 成人期に求められる口腔ケア
④ 高齢期に求められる口腔ケア
【推奨例】
① 口腔ケアでの高齢者の悩みベスト5
② 5つの悩みの解決法
③ 訪問診療・家族が悩まない口腔ケア指導
④ 高齢者施設の悩みにどう応える?
スポンサーリンク
最後に
さて、1~9への答えが出来たら、ご自分の書きたい本のイメージが、だいぶ明確になってきたのではないでしょうか。
ここまで揃ったら、あとは、周囲や出版社に相談してみましょう!
Good Luck !
歯科セミナー探しは
日本歯科新聞社運営の歯科プロ!
日本全国の研修,勉強会,講習,講演の情報満載!