「本をつくりたい!」というあなたにまず伝えたいのは、人は活字を読むのが面倒…ということです。
そこからスタートし、「それでも、読んでみたい!」「それでもお金を出して買いたい!」と思ってもらう本を作るにはどうしたらよいのか…、
と考えることが、読まれる本づくりへの第一歩になります。
まずは、自分の作りたい本のイメージを明らかにすることから始めましょう。ここでは、全くの初心者でもわかる流れで、本の内容をイメージ化する方法をお伝えします。
この講座では、あなたに4つの質問に答えていただきます。その質問と答えを周囲に見せれば、
・あなたがどんな本を作りたいのか
・どれくらい価値がありそうか
・どこの出版社に向いているか
などのイメージが明確になり、周りからのアドバイスが受けやすくなります。
書き始める順番はランダムでOKです。項目ごとの注意ポイントも参考にしながら、手元に置き、思いついたときに埋めてみてください。
どのような本を作りたいか、その本にどの程度のニーズがあるかなどが、次第に見えてくるはずです。
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想定読者
あなたの本の読者は、どのような方でしょう。できるだけ具体的なイメージを書いてみてください。もちろん複数でもかまいません。
例えば…
◎ 開業前の歯科医師
◎ 技工所経営者
◎ 経営に行き詰っている経営者
◎ 医院の患者さん
◎ 矯正治療を検討している患者さん
◎ 家族や親戚
「歯科医師すべて…」などでもよいのですが、特にニーズがあると思われるターゲットも書き添えておきましょう。
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販売・配布などのイメージ
あなたの本は、配る本ですか?それとも売る本ですか?
お金もからんでくるので、ここは身を引き締めて考えましょう。
売る場合、歯科向けですか?
それとも一般向けですか?
どちらかによって宣伝先も販売ルートも異なるため、相談すべき出版社が異なりますので、ここは明確にイメージしましょう。
例えば…
A. 配る(医院で/勉強会で/イベントで など)
B. 歯科医療者向けに売る
C. 一般向けに売る(書店など)
D. その他( )
大まかに、AからCまでの順に、難易度が高くなっていきます。
A. 配る
著者がお金を負担するのが明らかで、宣伝費も販売ルートの確保もいらないので、幅広い制作会社にお願いすることができます。出入りの印刷屋さんが頼りになることも。
B. 歯科向けに売る場合
歯科医療従事者などが対象になる場合、
出版社を探す際には、以下のサイトが参考になります。
出版にかかわる費用(制作費、宣伝費など)を誰が負担するのかは、ケースによってマチマチ。
以下のようなものが一般的でしょうか。
① 出版社が費用を負担し、売れたら著者に印税(7~10%)を払う
② 出版社が費用を負担し、謝礼代わりにまとまった冊数を著者に渡す
③ 出版社が費用を負担し、著者がまとまった冊数を買い取る
④ 著者が費用を負担し、出版社がまとまった冊数を買い取って販売する
⑤ その他
本が売れそうであれば①②のケースもありますが、
③のケースも少なくないようです。
費用については、制作に入る前に、必ず出版社に条件を確認しましょう。
【C. 一般向けに売る場合】
一般向けに販売する場合、当然、莫大な宣伝費がかかり、書店に並べてもらうだけでも大変な手間と冊数が必要なので、出版にこぎつけるのは容易ではありません。
「門前払いは当然」との覚悟が必要です。まして、印税がもらえるなどというのは本当に稀なケースです。
「著者が費用を負担して、出版社に販売してもらう」という場合、その出版社が書店に本を並べる力があるかどうかが大事な確認ポイントです。
患者さん向けに情報発信したいということであれば、本を作るより、ホームページをうまく活用するほうが早道なこともありますよ。
著者の特長・強みは?
あなたの特長や強みをあらわすキーワードを、できるだけたくさん書いてみてください。
例えば…
【歯科向け】
◎ 開業歴30年
◎ 分院を10持つ開業医
◎ 総義歯を2000個作った歯科医師
◎ ボクシング好き
◎ 倒産を2度経験した開業医
【一般向け】
◎ ○○学会指導医
◎ ○○大学教授
◎ 歯を守ることを第一に考える
◎ 身体全体の健康を考える
◎ 短期間で治せる
【家族向け】
◎ 19○○年生まれの(※後々の子孫が読むことを見越して)
◎ 30年間、つりに人生をささげた
これらの要素は、売る本であれば、「本のタイトルやデザインを考えるとき」「宣伝文句を考えるとき」に役立ちます。
また、配る本でも、手に取ってもらいやすい本づくりの工夫として、表紙に入れる文字を考える際に役立つことがあります。
テーマは?
書籍を通して、何を読者に伝えたいかをなるべく短くまとめてみてください。
例えば…
【歯科向け】
◎ 誤嚥性肺炎を予防できる口腔ケア法
◎ 患者さんに信頼される立ち居振る舞い
◎ 初心者でもわかる摂食嚥下の知識
【一般向け】
◎ 歯周病を防げるブラッシング法
◎ むし歯にならない食習慣
【家族向け】
◎ 自分の人生のトピック(還暦を区切りに…など)
◎ 孫や子どもの成長記録
「読み手」に意識をフォーカスすることは、
手に取って読んでもらうための大事なポイントです。
裏づけは?
本に書きたい内容は、主に何を裏づけとしたものかを書いてみましょう。
例えば…
【歯科向け】
◎ 1000人の入れ歯を作った長期症例を基に
◎ ○○理論を診療現場に合うようにアレンジした
◎ 歯科専門のコンサルタントを○年間務めた経験から
◎ ふと日常で感じたことを
【一般向け】
◎ 20年以上、入れ歯をつくり続けてきてわかったこと
◎ 患者さん300人を治療した経験から
【家族向け】
◎ 今までの過去を、日記を元に振り返って
◎ 今まで取りためた写真を基に
特に売る本の場合、読者への説得力として問われる部分です。
出版社も注目しますから、力を注いで考えてみましょう。
次回は
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