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「消費税法施行前の混乱」日本歯科新聞アーカイブ1989年2月21日

日本歯科新聞アーカイブ1989年2月21日タイトル

1989年(平成元年)2月21日火曜日の日本歯科新聞では主に消費税実施についての記事が多く見られました。

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消費税と初めて向き合うことになった年

平成元年度が始まると共に、日本国内で初めて国民から公平に税を徴収する制度「消費税」が実施されるということで、さまざまな業界が混乱を極めていました。それは歯科業界も例にもれず、「消費税実施・低い改定評価 懸念される各種トラブル」という見出しによって始まる記事からも察することができます。

(消費税実施に伴い各歯科医療機関でのトラブルや経理事務の煩雑化など)これら影響率は同時に改定される診療報酬・材料価格によって“補足”することとなってはいるが、特に歯科においては、一部点数手直しにとどまることが確実であり、“補完”される内容ではない。

以下の文に続きます。

さらに五段階税制の「制限」や自由診療収入分への増税などにより医療経営への“圧迫感”が高まろう

一方、技工所経営者、歯科商工業者各層においても、具体的対応を急いでいるが、「国の押し付け策によって、ユーザーとトラブルを起こすようなことは避けたい」、しかし「転嫁がスムースに進まないときは、自社の経営が危機となりかねない」ジレンマにある

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消費税が始まるが、現場は混乱と不安

また同号の4面には以下のような技工士のインタビュー記事があります。

「しかし、この消費税を技工業界にあてはめたとき、この三%を果たして先生方に請求できるのか、という心配がある。例えば一万円の技工物に三%の消費税をかけて、一〇三〇〇〇円を請求すると、消費税の仕組みがわからない場合、先生方から「また技工料の値上げか」といわれかねない。」

同じような悩みは歯科商工業者にも広まっていたらしく、1989年(平成元年)2月17日に東京上野の池の端文化センターで開かれた日本歯科用品商協同組合連合会による消費税研修会では以下のようなコメントが残されています。

「業界として、消費税にどう対応するかが、大きな問題となっている。これは取引先の先生方が、優越的な地位にあるのがほとんどであるからであり、かといって消費税はいらないというとこれは大変なこととなる」

一方、日本歯科医師会側は消費税を機に不正な値上げがされるのでは、という懸念があったようです。
平成元年3月23日付けで、日本歯科医師会が日本歯科商工協会宛てに便乗・不当値上げに対処するよう「申し入れ」文を通知しています。

仕組みの説明不足をいかに解消するか

当時の記事から、全国民への税負担として「消費税」の実施という、初めての試みにより国民は混乱を極めていたため、ともかく「消費税」という概念そのものの理解を深めようと各業界が奔走していたことが伺えます。
消費税実施から約30年、1997年(平成9年)4月1日には5%になり、さらに2014年(平成26年)4月1日に8%、そして2019年(令和元年)10月1日に標準税10%、軽減税率8%と引き上げられました。
そこで2019年(令和元年)10月1日の日本歯科新聞を見てみると、軽減税率とキャッシュレス決済ポイント5%還元についての質問が税理士の元に多く寄せられたという記事があります。
歯科医院の窓口で販売されるガムやチョコ、その他飲料などは軽減税率の対象のため8%の税率になり、10%と8%両方に対応できるレジを導入しなければなりません。
キャッシュレス決済ポイント5%還元についても、保険診療はもちろん矯正歯科治療、インプラント、ホワイトニングなどの保険適用外診療でもポイント還元対象外となりますが、患者さんからの問い合わせによって改めて調べた歯科医療従事者も多いようです。
(日本歯科新聞 2019年10月1日発行 4面「税理士に聞く 10%増税の影響」より)
増税に関しては、何度も消費税引き上げを経験したおかげ(?)なのか、大きな混乱は見られませんでした。
国民全体に負担がかかる消費税の複雑化によって、歯科医院側も来院者に説明をしなければならない場面に遭遇します。ホームページに説明を掲載したからと読んでもらえるわけではありません。特に受付担当者はわかりやすく説明できるよう対応が求められます。

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日本歯科新聞社編集室
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歯科界唯一の週刊新聞を発行している新聞社。歯科経営誌「アポロニア21」やその他、書籍も多数出版しています。
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